ブルガリア国歌「愛しき祖国」
解説
この国歌は学生であったツヴェタン・ツヴェトコフ・ラドスラーフォフによって1885年に書かれた。彼はブルガリア公国に宣戦布告したセルビアとの戦いに加わり、戦場でこの曲を書き上げたという。
「愛しき祖国」は1946年に旧ソ連の影響下で樹立されたブルガリア人民共和国において再び国歌として認められる。「マリツァ川の波音」と改題され、モスクワへの忠誠を誓った3節が加えられたが、長く続いた共産党政権が終焉を迎えた1989年には削除され、原詩へと戻された。翻弄され続けたブルガリアの歴史とは裏腹に「愛しき祖国」には雄大な自然が歌われている。東西に連なるスターラ山脈はブルガリアの代名詞ともいわれ、ローマ人もかつて「雪を戴いた山々」と賞賛した。
歌詞
♪和訳例
バルカンの山々は誇り高く聳え立ち
その隣では青きドナウ川が流れる
トラキアには太陽が照らし
ピリン山脈の上で燃えてる
愛しき祖国よ
君は地球上の楽園だ
君の美しさ、君の魅力は
ああ、それは終わりなきものなんだ
♪ブルガリア語
Горда Стара планина,
до ней Дунава синей,
слънце Тракия огрява,
над Пирина пламеней.
Мила Родино,
ти си земен рай,
твойта хубост, твойта прелест,
ах, те нямат край.